父、大町文夫へ

ひと切れのパン 作詩・曲 中村 渉


もっともっといい暮らしがしたい それが僕のくちぐせだった

丘の上の大きな屋敷 いつも見ながら ため息ついた

僕は売れないアコーディオン弾き 夜の街は冷たいよ 

何もない部屋にポツンと 僕の帰りを待つように

ひと切れのパンが ころがっていた      

 

今のままでは君とは暮らせない それが僕のくちぐせだった

それでもいいと黙って君は 僕の後から ついて来た

僕は売れないアコーディオン弾き ふたりの暮らしは苦しいよ

何もない部屋の片すみに 僕らが生きてる証しのような

一輪の花が 咲いていた             

 

もっともっといい暮らしがしたい それが僕のくちぐせだった

だけど君を見てると何だか それがちっぽけな 夢だと思った

僕は売れないアコーディオン弾き こんな僕のために

黙って尽くしてくれる君 もうぜいたくは言わないよ

ひと切れのパンと 愛があれば      

ひと切れのパンと 愛があれば     


   制作話し

   父は大町文夫(長野県の大町市出身なので)という芸名でプロのアコーディオン弾き

   でした。戦後富山に来て仕事がない中、流し(店や屋台で唄う)をしていたという話

   しを母から聞いた記憶があります。母がいまの茶文を開いたのもそんな父を助けるた

   めでした。今(平成17年)父が亡くなった年を越えて改めて父を思い、20代の時

   に書いた詩をギターからアコーディオンに替えてレコーディングします。

   尚、画像の人形は大和 温さんより譲って頂いた‘アコーディオン弾き’であります。

 

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