駄菓子屋と
貸本屋はどこの町にも一軒はあったもので、僕は常連客の一人でした。駄菓子屋と
いうのはなんと言ってもくじで(一等とかニ等とか)、50枚ほどの切符よりも
ちょっと小さい紙を引いて舌でなめ、ほとんど、スカ(はずれ)でした。それでも
等のつくのが欲しくって、こずかいを使い果たしていました。小さい頃、パッチン
というのが流行っていて(地方によって名前が違う)野球選手や時代劇、まんがに
テレビのヒーローなどが(表は写真、裏はデータがかいてある)駄菓子屋のくじで
子供達は集めたものでした。名刺くらいの大きさで(新聞紙で封筒みたいに作り、
その中にパッチンを入れ50枚くらいに束ねたものが10種類くらいあり、表には
中身の見本が一枚貼ってある)そのもの事体がくじで一つ引き抜いては中身を取り
出し、裏を見てはんこが押してあれば当たりで(1等はひと束に一枚、小さいポス
ターくらいの大きさで8〜12枚くらい印刷してあり自分で切り抜く)それが店に
ど〜んと飾ってあり、みんなそれが欲しくって通ったものでした。今思うとなぜか
一等だけは最後まで残っていました。