2ケ所
ヘルスセンターには印象強い場所があって、1ケ所目は屋上の観覧車の近くにあった「マジ
ック館」で(名前は定かではありません)全国にもあったでしょうが、水が下から上へあが
ってきたり、体が斜めなのに立っていられたり、よくある錯角を利用した建物です。なぜか
センターに行く度にそこにいきました。案外、非日常的な所が好きなのかも知れません。
そしてもう1ケ所は1階の奥、広い廊下沿いに卓球台が並べてあり(その時代は、子供達の
屋内の1番人気スポーツは卓球でした)その行き止まりに「お化け屋敷」があったのです。
小学校の同級生3人と前まで来たのに、二人は突然恐くなったのか、帰ろうよと言い出しま
した。みんな入っているから大丈夫だよ(現に何人も目の前を通りすぎて中に入っていきま
したので)と言っても聞かないので一人で入る事にしました。(本当は恐いのに)
二人には出てくるまで待っていてもらいました。中に入ると、さっき入っていったアベック
や親子連れの悲鳴が聞こえて、普通のお化け屋敷風景です。一方通行で曲がりくねった道を
驚かされながら進んでいくのですが、途中、武者の首で(板の上にいくつか並べてあるやつ)
足が止まって恐いのになぜか見入ってしまい、リアルな人形に感心していました。そして
ふと思うと、さっきまでの悲鳴が消えて薄暗い屋敷が急に恐くなり、もう早足で出口に向か
っていました。みんな出ていったお化け屋敷ひとりいるのはごめんです。出口手前で、息を
整えて何気ない顔で友だちの所へ行き、全然たいした事などといい、前の人たちはみんな出
て来た?と聞くと、誰も出てきてないよ、その言葉にしばらく固まってしまいました。
一方通行で、追い越した訳でもなく、あの人たちはどこへいったのでしょう。ウソをつく友
ではありませんし、それ以降、もうお化け屋敷には足は向きませんでした。