むかし話し
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 父のはなし その1 
 数少ない父との2ショット

誕生日が近ずくと

父や母の思い出がよみがえります。僕にとって大事な日でありますが、両親にも思いで

深き日でありましょう。2年前に母が亡くなりましたが、もっといろいろな事を聞いて

おけば良かったと後悔していますが、いくつかの機会に聞いた思い出話しをたどりなが

ら、記していきたいと思います。

父は僕の中2の冬に病気で亡くなりました。享年53才でした。父は長野県の大町市に

生まれ、家は町内ひとつ分の敷地があったと聞いています。商い(内容は分からないが)

をしていて、茶の木屋という名前だったらしい(茶文の茶はそこから、文はおやじの名

の文造から)。長屋を貸していて、父が若い頃集金に行くと“そんなもの無い!”と

怒鳴られて逃げて帰ってきた、と聞いた話しを思い出します。父は大正生まれで、その

ころの大町は芸者さんがたくさん居て、にぎわいがあったそうです。父の父、僕のおじい

さんは、その芸者さん達に三味線を教えていたそうで、まあ今でいう道楽者でしょうね。

そんな家庭に育った父がやがては音楽に救われるとは思ってもいなかったでしょう。

                                (続きます)

 

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