火星シリーズ
第四話

 ちょこっと雑学

 バローズの死後‘アナザー・ワールド’誌の1955年11月号に

はS・J・バーンの書いた‘火星のターザン’という作品が登場した。

この作品によって、バローズの二つの世界を一体化する・・いってみ

れば、すべてのバローズ・ファンが意識的にしろ無意識にしろ抱いて

いた夢が実現したわけであるが、この企画の背景には同誌の編集長R・

バルマーがおり‘アメージング’誌の編集長を退いて自ら始めた雑誌

であった関係上、スタンドプレー意識が多分にあった。著作権にから

んでバローズの遺族ともめたことは言を待たない。

 

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あらすじ

 ブタース皇帝の娘スビア姫が何者かによって誘拐され、その嫌疑

はヘリウムの王子カーソリスにかかった。火星大元帥である父ジョ

ン・カーターの厳命を受けてカーソリスは敢然として王女の捜索に

向かったが、トルクワス山地のかなたに秘境に迷い込んでしまった。

そこは、かって古代火星に覇をとなえたロサール帝国が再現されて

いる摩訶不思議な人外境であり、観念を具象化できるふたりの怪人

が、数十万人の幻の戦士を集めて決戦する悪夢の世界であった。

その戦場にまきこまれた若き王子と王女の運命は?

 

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